日焼け止めクリームの選び方・使い方。SPFは高いほうがいいは落とし穴?
日差しの強い季節に欠かせないのは日焼け止め。
なるべく効果の高いものを!
と思うと、自然と『SPF』の数値に目が行ってしまいます。
ここでは意外と知られていない『SPF』の秘密と、
とても効果的な、日焼け止めの選び方と使い方についてお話していきます!
Contents
紫外線について
紫外線は、日焼けやシミの原因になるとして嫌われている一方、ビタミンDの生成や殺菌作用など良い面もあります。
そしてお肌に直接影響があるのは、紫外線のなかでもA波(UVA)とB波(UVB)と呼ばれるものです。
お肌を赤くする紫外線B波(UVB)
長時間の日光浴でお肌を赤く焼けたりヒリヒリさせたり水ぶくれにしたり、このように肌が赤くなる日やけ(サンバーン)の主な原因となるのが紫外線B波(UVB)です。
紫外線B波(UVB)の特徴
・紫外線の10%
・エネルギーが強く、日焼けを起こす力はA波の数百倍(600~1000倍とも)と言われる
・サンバーン(赤くはれてヒリヒリしたり水ぶくれができる状態)を起こす。
・皮膚の表面で、メラニン色素を新たに生成させる
・シミやシワ、皮膚ガンの原因と言われる。
一流企業【ロート製薬株式会社】さんのサイトの内容も、とても参考になります!
長時間の日光浴で肌が真っ赤に焼けたり、水膨れができたり…。このように肌が赤くなる日やけ(サンバーン)の主な原因となるのが紫外線B波(UVB)です。
UVBはエネルギーが強く、肌表面の細胞を傷つけたり、炎症を起こすので、皮膚ガンやシミの原因になります。
ただし、波長が短い分、紫外線A波(UVA)に比べるとオゾン層や上空の雲に阻まれ、地上に到達する量は全紫外線量の約10%と少量です。
日常生活の中で、例えば日傘を使うなど、極力直射日光に当たらないように心がけることだけで、ある程度防御することができます。
引用:ロート製薬株式会社
肌の奥まで届く紫外線A波(UVA)

引用:ロート製薬株式会社
雲の日や日当たりの良いお部屋にも届いてしまい、シミ・たるみの原因となるのが紫外線A波(UVA)です。
紫外線A波(UVA)の特徴
・紫外線の90%を占める
・エネルギー自体は弱い
・曇りの日やガラス越しでも通りやすい。
・赤いヒリヒリや水ぶくれは起こさないが、長い年月をかけてじわじわ影響を現す。
・すでに存在しているメラニン色素を酸化させて肌を黒くする(即時型色素沈着)
・皮膚の奥まで達して、コラーゲンやエラスチンなどの線維を破壊し、たるみやシワを引き起こす
・B波の影響を大きくさせる
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紫外線A波(UVA)は、紫外線B波(UVB)ほど肌に急激な変化を与えません。
紫外線に当たってすぐに肌が黒くなるというような日やけ(サンタン)は引き起こしにくくなっているので、一見すると紫外線B波(UVB)よりも肌への影響は少ないように見えますが、近年の研究で、この紫外線A波(UVA)がシミやしわの発生に大きく関わっていることがわかってきました。
波長が長い紫外線A波(UVA)は、肌の奥深くまで到達し、じわじわと肌に様々な影響を及ぼします。
例えば、コラーゲンを変性させ、これがしわなどの原因になっていくなど、長い時間をかけ、気付かない間に肌に悪影響を及ぼしていたのです。
しかも紫外線A波(UVA)は、オゾン層を通り抜けやすく、常時、紫外線B波(UVB)の20倍以上も地上に降り注いでいます。
雲や窓ガラスを通り抜けやすいという性質を持っているので、曇りの日も日当たりの良い家の中でも対策が必要です。
引用:ロート製薬株式会社
とはいっても日焼け止めがブロックしてくれるでしょ?
日焼け止めを適切に正しく塗ることで、紫外線の日焼けやシミの原因の有害光線を全てブロックできれば良いのですが、そういうわけでないようなのです。
日焼け止めを選ぶときに基準にする『SPF』は、紫外線の全てをブロックする指数。ではなく、あくまで紫外線B波に対する数値であることが、わかりました。
『SPF』の本当の意味
この『SPF』の本当の意味は、『SPF』はSun Protection Factorの略であり、紫外線B波に対する防御効果を数値で表したもの。
その数値は、日焼け止めを塗って日光にあたった時、日焼けをしてしまうまでの時間が塗らなかった場合の何倍かを意味しています。
SPF30なら30倍にできるということです。人は個人差はありますが10−20分で日焼けをしてしまうといわれます。その時間を30倍遅らせることができるという意味になります。

引用:株式会社ドクターシーラボ
ここでお気付きかもしれませんが、日焼け止めを塗ったことで完全に紫外線をブロックできるわけではなく、ものすごく少なくできるよ。という意味です。
日焼け止めを塗っていてもお肌は少しずつ紫外線を受けている状態であり、日焼けを100%防ぐことができるわけではないということです。
『SPF』の数値を見るだけでは、紫外線対策は万全とは言えないのが現実といえそうです。
紫外線A波の対策は、どこを見たらいいの?
SPFではA波への影響を測っていません。
A波を防ぐ効果の目安としては『PA』(Protection Grade of UVAの略)というものがあり、数値ではなく『+』の数で4段階で表されます!

引用:株式会社ドクターシーラボ
即時型色素沈着を起こすまでの時間を2~4倍にまで伸ばせるものは+、
4~8倍は++、8~16倍なら+++、それ以上は++++となっています。
それでも『SPF』は高いほうがいい?
日焼け止めは、紫外線の影響を完全に阻止するものではないのですが、「とはいっても、やっぱり『SPF』の数値が高いほうがブロック効果は高いんでしょう?」そう思われるかもしれませんが、
実は、日焼け止めによる紫外線のブロック効果は、SPF15以上になると、20だろうと30だろうと50だろうとそれほど大きく変わりません。
化粧品会社が示しているデータや研究論文などを見ると、SPF15の紫外線遮蔽(ブロック)率は94%、そしてSPF30は97%であり、それ以上になるとほとんど変わらないとあります。長時間紫外線にお肌を晒すならまだしも、日常生活においてはそれほど高いSPF値の日焼け止めは必要ないということになります。
もちろん、たったわずか3%の違いだとしても、より効果の高い日焼け止めを使いたい!という思いもあります・・。
しかし、SPFの高い日焼け止めは、紫外線を防止するための、成分や油分が多く配合されているので、つけている間はもちろん、落す時にもお肌にとって大きな負担となることを忘れてはいけません。
SPFと日焼け止めの効能について重要な3つのポイント
いろいろとSPFや日焼け止めついて、いろいろ言ってきました・・・が、まとめると以下の3つ!
・日焼け止めは100%紫外線を防ぐものではない!
・SPF15以上になると、紫外線ブロック率はほとんど同じ!
・SPF値が高すぎるとお肌に負担となる!
紫外線対策には欠かせない日焼け止めですが、選び方によってはお肌にとってマイナスになってしまいます。
では、日焼け止めはどうやって選べばいいのでしょうか?
そのためには2つの基準で、選ぶといいです。参考にしてみてください!
自分に合った、日焼け止めを選ぶための2つの基準。
選び方の基準は、
・使うシーン
・肌質
によって使い分けることです。
使うシーン
日常生活であれば、SPF20程度あれば十分。だいたいSPF10~20くらいを目安にお選びください。
屋外でのレジャーならSPF30以上を。
肌質
お肌が極端に紫外線に弱い人は、SPF50のものでしっかり紫外線からお肌を守りましょう。
また、添加剤や油分などの刺激に弱い肌質の人は、SPFは高くても30までにとどめるのが吉です。
繰り返しになりますが、日焼け止めは100%紫外線を防いではくれません・・。
そのため、紫外線対策を万全にしたいのであれば、日焼け止めにさらにプラスして帽子や日傘、アームカバーなどを使用すると良いでしょう。
日焼け止めの使い方
どんなにSPFが高いものを使用しても、きちんと正しく塗らないと効果はありません。
ムラなく均一に…というのところまでは何となく意識はできるのですが、
多くの人が失敗しがちなのは、塗る量です。
SPFはムラなく均一に、そして日焼け止めのクリームの量もしっかり塗ったときの数値です。
多くの女性はこの量の半分以下、もしくは1/4程度しか使えてないそうです。
日焼け止めは塗る量が半分になると、その効果も半分、ものによっては1/4になってしまうとか。
失敗しない!日焼け止めクリームの正しい塗る量って?
SPFの数値を出す基準として、日焼け止めクリームを『1㎠の皮膚に対して2mgの日焼け止めを塗った時』を表しています。
これは顔に塗る場合、ヒトの顔の面積は、400-560㎠といわれています。この場合、きちんと効果を得るためには1g以上は使用しなければなりません。
これは、顔1回塗るときには、500円玉大くらいの大きさ(液状のものなら直径5cmくらい、クリームタイプならパール粒2個くらい)と、かなりの量です。
塗布量 さて成人女性の顔の面積はどれくらいでしょうか。もちろん、個人差がございますが、だいたい20センチ四方の紙あるいは布のサイズくらいとしますと、20センチ×20センチ=400平方センチ と言う事になりますので、2mg×400=800mg=0.8g と言う計算になります。この量は手のひらに広げますと、だいたい500円玉のサイズと言われています。
引用:医療法人高見台クリニック
日焼け止めクリームをしっかり使わないとどうなる?
適正量の1/4しか塗っていない場合、その効果は1/16になってしまい、SPF50も結果的にはSPF3程度になってしまうといわれます。
そもそも、SPF15以下ではほとんど日焼け止めに効果はないといいます。・・使い方によって0ということなんですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。日焼け止めはこれからの季節に欠かせない必須アイテムですが、ただ適当に塗るだけでは不十分。
シーンや肌質によって使い分け、適正な量をしっかりと塗りましょう。そこに、日傘や帽子などもプラスすれば完璧です。
正しい知識を持ってきちんと紫外線対策をし、誰もが憧れる美白肌を目指しましょう!